鑿鍛冶の独り言履歴平成10年分
TOPへ | 鑿鍛冶の独り言 | 次回の出没先 | 道生の独り言 | 問い合わせ |
プロフィ−ル | 刃砥ぎについて | 製作工程 | 今月の特殊品 | |
鑿 | 鉋 | 切り出しなど | 特殊刃物 | リンク |
鑿鍛冶の独り言履歴 07年度 |
鍛冶屋の独り言履歴08年1月〜 |
鍛冶屋の独り言履歴09年1月〜 |
鍛冶屋の独り言履歴10年1月〜 |
木工具温故会10.6.13
今回は田齋道生が書きます。
この度、6月6日に大阪にて第2回木工具温故会がありまして参加してきました。
木工具温故会は昔の名工の作品を見て道具の美を鑑賞しているそうです。
私共は、福井の棟梁より「変わったものを持ってきて並べては」
とお誘い頂き、参加となりました。
5日の私が大阪に着いたのはPM3:00頃で、もう皆さん作品を並べられており
早速見学させて頂きました。
6時より懇親会では色々な道具の話題で、皆さんと盛り上がりました。
6日は、当日参加の方々が、どんどん名品をお持ちになって
私は大変勉強させて頂きました。
皆さん有難うございました。
フリーマーケットの鑿10.4.6
昨年の秋、地元で開催されたフリーマーケットに初めて見に行きました。
いろいろなものが出品されていまして、初めて見る私には驚きの連続でした。
しばらく見ていると60歳位のおじさんが、花瓶や食器・古本など出品されていたのですが、
その中に何故か叩き鑿の6分、ダメ切鑿寸0があり、目に留まりました。
良く見るとその他にも数本の古鑿があり、価格を見たら一本300円と書いてありました。
銘はあまり耳にした事の無い品でしたが柄も桂もあり、
少し手を入れたら充分につかえるなぁと思いましたが、
鑿鍛冶の私が古鑿を買っても・・・と思い、家に帰りました。
家に帰ってから、やっぱり買ってくれば良かったなと思いましたが後の祭りでした。
きっとあの鑿は、どこかの鑿鍛冶が一生懸命に作った品だっただろうに
と思えば、買ってきてきれいに手を入れて、どなたかに使ってもらえば
きっと人の役に立つだろうと思い、何か悪い事をした気持ちになりました。
さて、仕事の話になりますが、最近よく古鑿の柄の入れ替え、
研ぎ、裏スキ直しの依頼を頂きますが、
一見して鋼が錆びていて裏を押すと無くなる様な品は別ですが、
ほとんどの物は修理をすれば充分に使えるものが多いです。
短くなったものを長くすることは出来ませんが、直しあがった鑿を見てお客様に、
新品のようになったと喜んで頂けると、自分も嬉しい気持ちになります。
若干の修理代は頂きますが、これも今で言うエコでは?
そして、その鑿を作られた鑿職人の技がよみがえるのではと思います。
この様な鑿に出会った場合、お力になれるかも知れませんので、
一度声を掛けてみて下さい。
でも、新品が売れなくなるかなぁ?