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私が読んだ本のいくつかを順に紹介します。ペーパーバックは純粋に楽しみのために読むのが主義なので全部英語も易しくて楽しい本ばかりです。(実際にはペーパーバック以外の英語の本も含まれています。) ブログではこの他にも紹介しています。 |
★ | 時間の無駄だった・・・ |
★★ | 時間があれば、暇つぶしにどうぞ |
★★★ | 無理強いはしないけど、それなりに面白いので読んでみてね |
★★★★ | とても面白かったから是非読んでね |
★★★★★ | すべてをなげうち犠牲にして、無理しても読んでみるべし |
索引 |
私が読んだ順に載せてます。さらに詳しいコメントはタイトルをクリック!amazon で買うと洋書が安く買えます。手数料込みでも日本で買うより安かったので、日本にアマゾンができる前はアメリカのアマゾンに注文していた程年季の入ったアマゾンファンです。 |
タイトル | 作者 | ジャンル | コメント |
The Door into Summer | by Robert A. Heinlein | SF | SFのクラシック。引き込まれ感動します。 |
Totto-chan The Little Girl at the Window | Tetsuko Kuroyanagi | ノンフィクション | 戦前に実在していた「トモエ学園」について書かれている。日本語の本の英訳版。amazonで見る |
Who Moved My Cheese | Dr Spencer Johnson | 自己啓発(小説形式) | 変化の時代に人はどう対応するべきか。英語は易しくのめり込んで読めるが内容は深い。amazonで見る |
Burned Alive | Souad | ノンフィクション | この現代にこんな世界がまだある。実話であることに驚くでしょう。amazonで見る |
What's Happening to Grandpa? | Maria Shriver | 絵本(ハードカバー) | アルツハイマーについて易しく書いた絵本。amazonで見る |
The Essential 55 | Ron Clark | 教育 | 教師や親のために書かれたものだが、エピソードがふんだんにあり英語も易しく楽しく読める。amazonで見る |
Pollyannna | Eleanor H. Porter | フィクション | 主人公 ポリアンナ にすっかり魅了されあっという間に完読。英語も易しい。amazonで見る |
A Walk to Remember | Nicholas Sparks | ラブストーリー | 泣ける純愛小説。ロマンチストにお勧め。英語も易しく読みやすいamazonで見る |
Unbelievable! |
Paul Jennings | 短編集 | タイトルどおり信じられない話ばかり。高校生レベルで読める。amazonで見る |
The Minds of Billy Milligan | Daniel Keys | ノンフィクション | 多重人格者ビリー・ミリガンの実話。本当に興味深い内容だがぶ厚い本なので読むには要根性。心理学に興味のある人必読。amazonで見る |
Walk Two Moons | Sharon Creech | ヤングアダルト | 二つの物語がたくみに組み合わされ、最後は泣けます。amazonで見る |
Holes | Louis Sachar | フィクション | 英語は易しく文体は簡潔。テンポよく読みやすい。不幸な内容でありながらユーモアあり、感動あり、スリルあり。おもしろい!amazonで見る |
Wonderdul story of Henry Sugar and Six More | Roald Dah | 短編集 | 読み始めたらやめられないこと請け合い。奇想天外、はまります。英語も易しい。amazonで見る |
The Umbrella Man And Other Stories | Roald Dahl | 短編集 | どのストーリーも奇想天外で面白く、いったん読み始めたらもうもうどうにも止まらない!ペーパーバック初心者にもお勧めです。amazonで見る |
Charlie and the Chocolate Factory |
Roald Dahl (Illustrated by Quentin Blake) | 児童文学 | 児童文学は大量の英語の速読練習には最善。私が読んだのは2001年だが、今映画化され話題作になっている。amazonで見る |
Where the Heart Is | Billie Letts | ヤングアダルト | 不幸で無知で無教養な主人公が、善意の人々に支えられ人間的に成長し、自らの幸せをつかむ勇気を得る。最近映画版を見たが主演は「レオン」のナタリー・ボートマンだった。邦題は「あなたのために」。10代のナタリーが見れた。amazonで見る |
Windmills of the Gods | Sidney Sheldon | サスペンス | シドニー・シェルダンの作品はどれもおもしろい。スリルありサスペンスあり、ラブストーリーあり、最後まではらはらドキドキ、一気に読める。amazonで見る |
People of the Lie | M.Scott Peck, M.D. | 心理学 | 「邪悪」についての考察と治療amazonで見る |
The Partner | John Grisham | 法律物フィクション | 自分の死をでっち上げ失踪した男の話。グリシャムを読むにはそこそこの英語力が必要amazonで見る |
A Child Called "It" | Dave Pelzer | ノンフィクション | 虐待を生き延びた子供の実話。2000年アメリカで見つけて買ってきて読んだ本だったが、その数年後日本で翻訳版がベストセラーになり、「ああ、翻訳したかったなあ」と残念に思うことしきり。amazonで見る |
The Ghost | Danielle Steel | ラブストーリー | Sarah は2世紀も前に生きた女性であるが、そのパワフルな生き方で主人公に勇気を与える。現代と18世紀と言う二つの時を隔てた物語が絶妙に結び付けられ交互に語られているamazonで見る |
The Testament | John Grisham | 法律物フィクション | 自分の努力と手腕一つで百億以上もの財を成男が皆の見守る中遺言書に署名をするが、その直後にビルの窓から飛び降り自殺をする。グリシャムを読むにはそこそこの英語力を要するamazonで見る |
Harry Potter and the Sorcerer's Stone | J.K.Rowling | 児童文学 | ご存知「ハリー・ポッター」原書で読んでみては?amazonで見る |
Matilda | Roald Dahl | 児童文学 | かわいいマチルダのとりこになること請け合い。Quentin Blake のイラストが断然かわいい。amazonで見る |
Message in a Bottle | Nicholas Sparks | ラブストーリー | 真実の愛こそが人生を真に意味あるものにするamazonで見る |
Morning, Noon & Night |
Sidney Sheldon | エンターテインメント | 誰が真に自分を理解し、愛しているか見極めるのは難しい |
Outbreak | Robin Cook | 医学ミステリー | 息をつかせぬ展開に心臓はどきどき、髪の毛は総立ち |
Memoirs of a Geisha | Arthur Golden | 実話に基づくフィクション | とにかくおもしろい!21カ国語に翻訳されたベストセラー |
The Naked Face | Sidney Sheldon | サスペンス | 見かけはふつうの人と変わらない、マスクをつけているから |
Jade (Wildflowers miniseries) | VC ANDREWS | ヤングアダルト | コンピュータで心を通わせたと信じた相手は見知らぬ他人 |
Star (Wildflowers miniseries) | VC ANDREWS | ヤングアダルト | 同情ばかり待っていては幸福行きの電車に乗り遅れるよ |
Flowers For Algernon | Daniel Keyes | サイエンス・フィクション | アルジャーノンのたどる運命がチャーリーの運命の暗示 |
Anna and the King | Elizabeth Hand | 実話に基づくフィクション | シャム王は妻23人、正妻以外の妻42人、子供58人 |
Counterfeit Lady | Jude Deveraux | 歴史物ラブストーリー | ばかばかしい!と思いつつまんまと乗せられ読んでしまう |
Misty (Wildflowers miniseries) | VCABDREWS | ヤングアダルト | ビバリーヒルズでリッチに暮らしていても心は満たされない |
Survival in the Office | Risu Akizuki | コミック | おかしくて、ためになる漫画 |
ペーパーバックの詳しい解説 |
タイトル、作者、出版社、ページ数 | ジャンル | 読み終わった日 | |
The Door into Summer by Robert A. Heinlein 304ページ |
SF | 2007年9月27 日 |
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ストーリーの面白さ ★★★★★ | |||
15〜20年くらい前に一度読んだ本を再び読み返してみました。 最初の20〜30ページは若干読むのが困難ですが、読み進むにつれ物語のおもしろさにはまります。特に後半部分はこの先どうなるかワクワクし、ページをめくるのが待ちきれません。 タイトル"The Door into Summer"「夏への扉」が印象深く心に刻まれます。SF小説ですが、一大ロマンスでもあります。後半の後半、胸がキュンとなりかなり感動します。 最初の発行年は1957年。つまり書かれてから50年くらい経っているわけです。時代設定は1970年。主人公で発明家の Davis は cold sleep(冷凍睡眠)で30年眠り、2000年に目覚めます。 50年も前に2000年の世界を想像するのはどれほど困難なことでしょう。私が初めて読んだ20年程前から考えても、2007年の現在はSFの世界のようです。実際に「過去に遠い未来だった西暦2000年」、いやもっと進んだ2007年にこの本を読むと感慨深いものがあります。 現実の未来との対比がおもしろい。例えば人は風邪をひかなくなっているか・・・・残念ながら現代の医学はそこまで進歩していません。 人間のように柔軟に動き、判断力を持つロボットが家事をしたり、会社で受付などの業務を行っているか・・・残念ながら皿を洗うという単純な作業も実はそれほど単純ではないのです。人間の動きほど奇跡的なものはないでしょう。そのレベルにはまだ現代の技術は到達していません。 一方で、まさかインターネットなるものが出現し、コンピュータが個人レベルで使われるようになるとは全く想像の範囲を超えていたことでしょう。また、携帯電話の存在もです。 そんなわけでストーリーのおもしろさに加えて、2007年に読むことでさらに興味深さは増します。もはやクラシックに分類されるSF小説ですが、決して古臭さを感じることなく充分に楽しめること間違いなし。 私の持っている本はかなりの骨董品なのでネットから拝借しました。私のと同じ表紙のペーパーバックは見つかりませんでした。 |
タイトル、作者、出版社、ページ数 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Totto-chan The Little Girl at the Window by Tetsuko Kuroyanagi KODANSHA 229ページ |
ノンフィクション | 2007年9月5日 | |
ストーリーの面白さ ★★★★★ | |||
黒柳徹子著「窓際のトットちゃん」の英語版です。日本語版は多分20年〜30年くらい昔に書かれており、発売当時は年間450万部のベストセラーだったと後書きに書かれています。 私は当時この本を日本語で読み、大変感銘を受けました。その後3,4年ほど前に英語翻訳版を見つけて買いましたが、長年埃をかぶって「つん読」状態だったのをふと思いついて今回読んでみました。家の中を探してみればオリジナルの日本語版もどこかにあるはずです。 いわさきちひろの挿絵がこの本の雰囲気にぴったりマッチしています。 個性を伸ばす教育、考える力をつける教育、ゆとりある教育が求められながら、教育の現場では実践が難しい。ここには夢の教育があります。 黒柳徹子こと「トットちゃん」は小学1年生で退学になってしまいます。好奇心の強さから次々とトラブルを引き起こしてしまうからです。今で言うADHD(注意欠陥、過活動性、多動性障害)というものだったのではないかと思います。 例えば、小学校の机は引き出しのかわりにてっぺんのふたが開き勉強道具が入れられるようになっています。今の小学校ではもうそんな机はないようだけど、私の子供の頃はそんな机だったと懐かしく思い出されます。(私、「一体いつから生きてるの?」と聞かれることもしばしばです。)トットちゃんはその机が珍しく、ふたをバタン、バタンと開けたり閉めたりする。先生は「用事があるときだけ開けなさい」とおっしゃる。すると今度は「あ」を書く鉛筆を出すために開ける、「あ」を書き終わると今度は「い」の鉛筆、間違えるとその都度消しゴムを出し入れする、そうやってふたをパタン、パタンと開け閉めし、それに飽きると今度は教室の窓辺に立つ。 そして通りに「チンドン屋さん」がやって来るのを見つけると、「チンドン屋さ〜ん」とチンドン屋さんを呼び、学校中が大騒ぎになる。英語では "street musicans" と書かれていたが、これも私の世代には懐かしいものだ。本当に私が小さかった頃だけの記憶ですが、派手な衣装を着て派手な音楽でチンチンドンドンという音を出しながら店の宣伝などをして歩く「チンドン屋さん」がいたのを懐かしく思い出します。 確かに話だけ聞けばほほえましくかわいらしいけれど、学校としては統率が取れずトットちゃんは確かに「問題児」だったことと思います。 退学になったトットちゃんが次に行った小学校が「トモエ学園」でした。トモエでは全てが前の学校と違っていた。生徒数は全校合わせてたった50人。勉強もその日やることだけは決まっていて課題が全部終われば自由時間。座席も決まってはいない。その日の課題が全員終われば、みんなで散歩に出かけたり、その中で子供達は自然の営みを学ぶ。 校長先生は初めて会った会った時、トットちゃんの話を4時間もの間、熱心に耳を傾けて聞きます。校長先生は初めて会った時、トットちゃんの話を4時間もの間、熱心に耳を傾けて聞きます。4時間もの間そうやって熱心に聴き続けられる大人(ならずとも子供でも)はどれほどいるでしょう?また、4時間もしゃべり続けるトットちゃんも驚異的です。 校長先生はどの子に対してもそうやって真剣に向き合うのです。「トモエ学園」はこの学校を作った小林校長の夢の学校だった。自由であること、偏見がないこと、個性を伸ばすこと、自主性を伸ばすこと、生徒を信頼し自信を持たせること。 校長先生はいつもトットちゃんに「君は本当にいい子なんだよ」と言い続け、トットちゃんは無邪気に「はい、私はいい子です」と答えた。この言葉がおそらく彼女の人生を決定するものだった。日本語では「君は本当はいい子なんだよ」となっていたようだけど、、英語では "You're really a good girl." 私はむしろ「君は本当にいい子なんだよ」と読みました。(オリジナルは日本語ですが。) 後書きで黒柳徹子さんが言っている通り、もし小林校長に会うことがなかったら、トットちゃんは「悪い子」のレッテルを貼られコンプレックスでいっぱいの大人になっていたでしょう。 校長先生の小林宗作氏は理想の教育を実現するために何年もヨーロッパで教育現場を見て研究を重ね、1937年にともえ学園を設立しついに夢の学校を建てました。しかし1945年の東京空襲で全て焼け落ちてしまいます。炎に包まれる学校を見ながら彼はそばに呆然と立ち尽くす息子「ともえ」に言う、「今度はどんな学校を建てようか?」と。彼の教育への情熱は燃えさかる炎より強かったのです。 小林宗作氏の理念は今も古びていないどころか、今まさに求められているものだと思います。 ちなみに彼は日本にリトミックを導入した人であり、現在の国立音楽大学、幼稚園の設立に助力をした人でもあるそうです。また同じくトモエ出身でトットちゃんの初恋の人「タイちゃん」は著名な物理学者として活躍しているそうです。 |
タイトル、作者、出版社、ページ数読後感 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Who Moved My Cheese by Dr Spencer Johnson Vermilion 95ページ変化に対応できなければ滅びるのみ |
自己啓発(小説形式) | 2005年11月28日 | |
ストーリーの面白さ ★★★★★ | |||
私は最近になって読みましたが、実は一時かなり話題になった本のようです。ページ数も少なく単語も易しくストーリーもシンプルなので楽に読めるし、また大きなチーズの挿絵が左ページに時折出てきて一見子供向けのようにも見えますが、そうではありません。特に変化の激しい現代社会の中で人はどうその変化を受け入れ対応するかについて書かれています。4つのキャラクターが代表するのは私達自身の姿であり、読みながら自分自身に、また、自分の周りの人物に重ね合わせずにはいられませんでした。。 終身雇用を信じ、良い大学を出、良い会社に就職し、設計どおりの人生が続いていくと信じまじめに働いて来た人達は、今その幻想が崩れ去っていくのを見ています。倒産、解雇、突然の病気、コンピュータ出現以来の世の急速な移り変わり等など・・・変化を受け入れ行動をおこさなければ滅びるしかありません。私はこの本に勇気づけられました。 チーズの挿絵の上に書かれた言葉はこの本を集約しています。 |
タイトル、作者、出版社、ページ数読後感 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Burned Alive by Maria Shriver Warner Books 225ページ |
ノンフィクション | 2005年5月29日 | |
ストーリーの面白さ ★★★★★ | |||
このページに時々訪れてくれる鈴木さんが紹介してくださった本です。この本を読んで私は何年も前に"bride
burning"という記事をタイム誌で読んだことを思い出しました。インドでは花嫁の家は結婚の時に
dowry という持参金・持参物を花婿の家に贈る習慣があり、これが充分でなかったりすると花嫁は嫁ぎ先でいびられ時には焼き殺されるケースがよくあるのだそうとです。多くはキッチンでの事故として片付けられ、事件になることはまれだそうです。この地球にはそういう場所がまだまだたくさんあるのだと知りました。 Souad はアラブのある国のある小さな村に生まれました。そこでは女として生まれると言うことはそれ自体が罪であり、家畜以下の値打ちしかなく、そのような扱いしか受けられず、閉じ込められ、過酷な労働を強いられ、娘としては父親から殴られ蹴られ罵倒され、嫁しては夫から同様の仕打ちを受ける。そしていつも死の恐怖におびえる生活。女の生死は男によって決められる。ここでは "Honor Killing" という「名誉を守るための殺人」というものが当たり前に行われています。こちらの世界から見れば犯罪でもそこではそれがノーマルなことで、恐ろしいのは人間はそういう世界に生きているとそれを当然のこととして受け入れるということです。良心、善悪の判断、思いやりなどは人が生まれながらに持っているものではなかったのでしょうか。Souad は義理の兄に頭からガソリンを浴びせられ火をつけられ全身やけどをおいながらも救い出され、今は子供や優しい夫に恵まれて平和に暮らしているのが救いです。やけどは癒える事はないけれど同じような境遇の女性を救うためにこの本を書いた Souad と、献身的な活動を続けている 団体 SURGIR と Jacqueline さんに心から敬意を表します。 |
タイトル、作者、出版社、ページ数読後感 | ジャンル | 読み終わった日 | |
What's Happnening to Granpa? by Maria Shriver Warner Books 196ページ |
絵本 | 2004年11月6日 | |
ストーリーの面白さ ★★★ | |||
実はペーパーバックではなくハードカバーの本です。アーノルド・シュワルツネガーの妻である Maria Shriver が子供達にアルツハイマーについて教えるために書いた絵本です。彼女の父親はアルツハイマーです。アルツハイマーの家族を持った子供達、祖父母を持つ子供達、持たない子供達、そして大人達にもこの病気についてきちんと知ってしてもらうための本です。アルツハイマーとは何か、家族がアルツハイマーになった時に何ができるか、そして何が一番大切なのかが述べられています。この本が出版された時、CNNのラリーキングライブで Maria Shriver がゲストとして出演しこの本が紹介されているのを見ました。タイトルは彼女の子供の言葉に由来するものだそうです。イラストもほのぼのして暖かく美しい。 |
タイトル、作者、出版社、ページ数読後感 | ジャンル | 読み終わった日 | |
The Essential 55 by Ron Clark Hyperion 196ページ |
教育 | 2004年11月5日 | |
ストーリーの面白さ ★★★ | |||
先日テレビでこの本の作者でもあり教師でもある Ron Clark がテレビに出ているのを見て興味を持ちネットで本を探し出しました。彼はアメリカで
"The 2001 Disney Teacher of the Year Award" という賞を受けた教師です。 彼が子供たちを教え、それによって大きな教育成果をあげたという55のルールが紹介されています。その多くは本来なら親や祖父母から学ぶべき日常のマナーや生き方に関するものです。例えば人に何かもらったり何かしてもらったらありがとうを言う、話をする時は相手の目を見る等、ごく当たり前のことです。しかし一つ一つのルールにはそれにまつわるエピソードが紹介されていて、当たり前のことであっても本当の意味でそれができているだろうかと反省させられます。本来親や祖父母から学ぶべき人としてのマナーや人生の知恵を、誰からも教わらずに大人になってしまう人たちが多いのが現代の現実ということに気づきます。 また「人に紹介されたらその人の名前を必ず覚えなさい」というルールには、彼と生徒達がホワイトハウスに招待された時のエピソードが紹介されています。当時の大統領夫人のヒラリークリントンは生徒全員の名前を覚え、帰るときには一人一人の名前を呼びさよならを言ったそうです。見習いたいです。 ただ、中にはこれはどうかと思うようなルールもありました。また文化の違いもあるかも知れません。例えば「教室にボトルの水を持ってきても良い。授業中に食べ物を食べてもいいが、他の人に見えたり聞こえたりしてはいけない。」というルール22は日本ではまず考えられないことです。環境が快適であればより成果が上がるというのです。アメリカでは授業中でも仕事中でもおやつを食べるのは普通のようです。また彼は生徒をかなりの回数で、映画やスポーツ観戦、食事等に連れて行ったりまた1週間くらいの旅行に連れて行ったりしているけれど アメリカでは教師は給料は良くないと聞いているのでどうなんだろうと、素朴な疑問もありました。また「こんなことまで」と思うような細かなルールもあり、逆にアメリカの学校がうまく機能していないことを示しているのかも知れないと思いました。 教師や親のために書かれたものですが、エピソードもたくさんありおもしろく書かれており、英語も易しく読みやすい。 |
タイトル、作者、出版社、ページ数 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Pollyanna by Eleanor H. Porter Aladdin Classics 287ページ |
フィクション | 2004年10月20日 | |
ストーリーの面白さ ★★★★ | |||
昔テレビのアニメで見たことがある「ポリアンナ」です。なんとしっかり楽しめてしまいました。主人公
Pollyanna にすっかり魅了されあっという間に読み終えてしまいました。子供の心を失ってないと言うべきか精神年齢が成長してないと言うべきか・・・どうしてこれを読もうと思ったかと言うと、CNNのインタビュー番組で、ある人が
"Pollyanna-ish" という言葉を使ったのを聞いたのがきっかけです。主人公の
Pollyanna はどんな状況にあってもいつも何か喜ぶべきことを見つけるのです。そして彼女が呼ぶところのこの
"glad game" を町中の人たちに教えみんなが幸せになります。彼女の底抜けの明るさ、無邪気さは周りの大人たちを変えていきます。"Pollyanna-ish"
は「ひどく楽観的なこと」、"Pollyanna" は「底抜けの楽天家」と辞書に出ています。このように彼女の名前が辞書で普通に見つけられるほどにアメリカで親しまれ、定着している小説のようです。 Pollyanna はアメリカ文学上で最も愛されている登場人物の一人で、1913年に発刊されるとアメリカ中で爆発的に売れ、いたるところに "Glad" クラブが誕生したり、カレンダーができたり、作者が亡くなった後も続編が書かれたり等、この小説がいかに人々の心を捉えてきたかが序文に書かれています。Pollyannna の明るさ、前向きな考え方は誰もが必要としているものなのでしょう。この本を読みながら中学生の頃夢中になって読んだ「赤毛のアン」を思い出しました。 文中、なかなかユニークな表現もところどころに見つけました。例えば "My stars and stockings!" という台詞。メイドの Nancy が驚いた時に発する言葉です。これ実際に使ったらかなりおかしいと思うのですが、こういう表現を見つけると妙にうれしくなります。 易しい英語で書かれているのでペーペーバック初心者にもお勧めです。(Nancy の英語は訛ったまま書かれているし少々ぶっ壊れてますが。)楽しく、そして感動しました。特に最後は。 |
タイトル、作者、出版社、ページ数 | ジャンル | 読み終わった日 | |
A Walk to Remember by Nicholas Sparks Warner Books 240ページ |
ラブストーリー | 2004年10月14日 | |
ストーリーの面白さ ★★★★ | |||
一言で言うと泣ける純愛小説です。ストーリは単純ながら筆者のテクニックにどんどん引き込まれ一気に読みました。 今から50年前、今とは全てが違っていた頃。17歳でちょっとワルの男の子 Landon が、牧師の娘で見た目もさえない Jamie をホームカミングのダンスに誘う。理由はどうしても相手が見つからず切羽詰って選択の余地がなかったというものだ。Jamie は天使の心を持ちいつも明るく誰にでも優しい優等生で大人たちには評判はいいが、昼休みにも聖書を読んでいるようなちょっと普通じゃないような女の子で同級生からは敬遠されている。Landon も仲間と陰で彼女をバカにしたり辛くあたったりしていた。そんな彼が仲間から嘲笑されることを恐れつつも彼女と関わりあい、より知りあうにつれ、次第に彼女に惹かれそれと同時にいつしか人間として大きく成長する。そして人生で真に大切なことは何なのかを知る。 プロローグは "When I was seventeen, my life changed forever."で始まる。芝居がかって大げさな感じを受けたこの同じセンテンスが、最後の章で繰り返される時、切なく心を打ちます。 |
タイトル、作者、出版社、ページ数 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Unbelievable! by Paul Jennings Puffin Books 135ページ |
フィクション 短編集 | 2004年10月9日 | |
ストーリーの面白さ ★★★★ | |||
タイトルどおりアンビリーバブルなお話ばかりを集めた短編集です。「エェー!」と思うような奇想天外、不思議、時として不気味な話ばかりでそんなバカなと思いつつもかなり引き込まれてしまいます。子供向けに書かれたもののようですが、大人が読んでも純粋に楽しめます。そしてそれが作者の国オーストラリアでの一般的評価のようです。私の生徒さんが学校で使っている教科書の中に
"Pink Bow-tie"という短編が載せられていたことでこの作者の存在を知り、早速1冊買って読んで見ました。(作者のPaul
Jennings は実にたくさんの本を書いています) "Pink Bow-tie"の冒頭はこのようなものです・・・僕の校長はいつもこのばかげたピンクの蝶ネクタイをしている。ある日僕は校長室に呼ばれて、なぜ髪を染めたのかと聞かれた。しかし僕は髪を染めたわけではない。それには話せば長いわけがある。僕は昨日電車に乗っていた。僕と同じ14歳くらいの年頃の男の子がタバコを吸っていた。そこへ車掌が現れて「火を消しなさい。まだタバコを吸える年ではない」と注意すると、その男の子は火を消すかわりに四角い箱を出しレバーを少しだけ左に動かした。すると彼はみんなの目の前でどんどん成長しやがて25歳位になった。車掌は悲鳴を上げて逃げて行った・・・ と、こんな具合です。前回の "The Minds of Billy Milligan" が重い内容だっただけにほっとします。気軽に純粋に楽しみたいときにはもってこいの本でしょう。あんまりおもしろくてほぼ一日で一気に読んでしまいました。感動して泣きたい時は、大道芸人と小さい犬 "Tiny"の話"The Busker" がなかなか良かったですよ。 |
タイトル、作者、出版社、ページ数 | ジャンル | 読み終わった日 | |
The Minds of Billy Milligan by Daniel Keys Buntum Books 426ページ |
ノンフィクション(多重人格者の記録) | 2004年10月8日 | |
ストーリーの面白さ ★★★★★ | |||
連続レイプ事件を起こしたビリー・ミリガンは多重人格者だったことがわかった。彼には全く事件の記憶がなかった。相当昔に読みたいと思って注文して買った本でしたが、届いてみるとページ数が多く字があまりに細かく、その後10年以上も埃をかぶっていたものを今回引っ張り出しついに読破しました。 これは実話で作者の Daniel Keys がビリー・ミリガンに何百回も面会を重ね、また多数の関係者と会い忠実に真実のみを記したものです。自分も含めて24人の人格が一人の人間の中に存在していて、一人一人の人格は性格も才能も知能指数も国籍や性別や年齢さえも違っている。1年ほど前だと思いますが、テレビでビリーを取り上げた番組を見たことがあり、異なる人格がスポットに現れ意識を持つ様子を映した実際のビデオを見ていて、なぜこういうことが起こるのか不思議でさらに興味を掻き立てられました。彼の場合子供のときに継父に虐待を受けたことで、もはや自分が自分でいたくなったということが大きなきっかけのようです。 これはかなりまれなケースだと思いますが、きっと人は誰でも自分の中に全く異なる自分、相反する要素や性格が存在するのではないかと思います。また、社会に適応していくため、自己防衛のために本来の自分ではない自分を作り上げていくものだと思います。 多重人格の治療には理解と経験を持つ忍耐強い精神科医が必要ですが、アメリカでさえも多重人格を認める精神科医は多くないようです。もしかすると実際にはもっと多くのビリーが存在するのかも知れません。 とにかく厚くて字が細かくて根性の要る本ですが、読むだけの価値はあります。常識では考えられないような話だけど、実話であるだけに迫力があり圧倒されます。人の心の不思議さ奥深さに驚嘆せずにはいられません。 |
タイトル、作者、出版社、ページ数 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Walk Two Moons by Sharon Creech HarperTrophy 280ページ |
ヤングアダルト フィクション |
2002年2月1日 | |
ストーリーの面白さ ★★★ 不思議なストーリー | |||
アマゾンで下記の"Holes"のページに「この本を買った人はこの本も買ってます」というところに紹介されていた本を乗せられて2,3冊注文してしまったうちの一冊です。
"Walk Two Moons" というのは非常に不思議なタイトルで興味を惹かれました。そのタイトルのイメージどおりの奇妙な物語なのですが、実はこれは謎の人物が置いていった封筒に入っていたメッセージの一部でした。"Don't
judge a man until you've walked two moons in his moccasins." というのがメッセージだったのですが、確かこれは
"Don't judge a man until you've walked two miles in his shoes."
がもともとの諺(?)だったと思います。"moccasin" というのは北米インディアンの鹿革製のかかとのない靴だそうです。主人公の
Sal の先祖はインディアンでした。彼女が自分の側からだけものを見ていたときには見えなかったものが、立場を変えると見えてくる。 Sal がPhoebe という友達の奇妙な話をしているうちに、その背後に彼女自身の物語が現れてくるという2つの物語がたくみに絡み合わされています。最後は泣けます。 |
タイトル、作者、出版社、ページ数 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Holes by Louis Sachar Yearling newbery 233ページ |
フィクション | 2002年1月23日 | |
ストーリーの面白さ ★★★★★文句なく面白い!! | |||
分類は実は児童文学になっているのですが、あまりに面白くて児童文学のジャンルには入れる気になりません。物語は過去と現在が交互に語られるという手法を取り、はるか時を隔てた過去と現在の出来事が実に巧みにつなげられています。過去と現在とのつながりが徐々に解き明かされていく過程は息をつかせぬ面白さ。主人公の
Stanley Yelnats が無実の罪で送られた Camp Green Lake という少年鑑別所は
その名前には程遠く緑もなければ湖もない。そこに送られた少年たちは来る日も来る日も過酷な穴掘りの作業を繰り返す・・・・という決してハッピーな物語ではない訳ですが、それにもかかわらず何か不思議な魅力がこの本にはありページをめくるのが待ちきれず一気に読めてしまいます。 Stanley はこのキャンプでの過酷な生活とそこで育まれた仲間の少年との絆を通して人間的に大きく成長していきます。そしてそれがきっと読者に希望を与えてくれるのです。後半、絶体絶命の極限状態とも言うべき状況の中でなぜか彼は幸せな気分になるという場面があります。本当なら幸せに感じる理由なんて一つもない時にである。彼の人生は実は Green Lake に来る以前から惨めなものであり、学校では友達もなく、誰からも好かれていなかった。しかし本当は彼自身、自分のことが好きではなかったのだった。だが今彼は自分のことが好きだと気づく。理不尽にも無実の罪でキャンプに送られて来てしまった Stanley だが、この理不尽が起きてくれたことをうれしく思うのだった。この部分は読んでいて胸に迫るものがありました。 英語は易しく文体は簡潔でテンポ良く読みやすい本です。設定を考えれば、過酷な Camp Green Lake であり、ハッピーな要素はそれこそないにもかかわらず物語はユーモアもあり、感動もあり、スリルあり私の大好きな一冊になりました。 |
タイトル、作者、出版社、ページ数 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Wonderdul story of Henry Sugar and Six More by Roald Dahl A Puffin Book 225ページ |
短編集 | 2002年1月13日 | |
ストーリーの面白さ ★★★★★ | |||
続けてRoald Dahl の短編集です。ヤングアダルト向けとなっていますが、この前の "Umbrella Man" 同様、英語は易しく文体は簡潔、奇想天外なストーリーにすっかりはまってしまい、時のたつのを忘れ没頭してしまいます。 主人公Henry Sugar は金持ちの父親の遺産を相続して金持ちになったが、けちで自分勝手で、財産が惜しくて妻と分かち合うのがもったいないから結婚もしない。暇を持て余しギャンブルばかりしているようなろくでもない男だった。しかしある日同様に裕福な友人宅の書斎で見つけた1冊の本・・・というよりある実話のレポートが彼の人生を変えるのだ。そこには目を閉じたまま物を見ることのできる能力を持った少年のことが書いてあった。目を閉じて物を見ることができればギャンブルだって思いのままではないか!!・・・と不純な動機から修行を始めた Henry は生まれて初めて人生に目標をもって生きることになった。そして何年もの修行の後その能力を身につけた彼は人間としてもすっかり生まれ変わっていた。 表題のHenry sugar のほかの物語もみんな面白くて読み始めたらやめられないこと請け合いです。 |
タイトル、作者、出版社、ページ数 | ジャンル | 読み終わった日 | |
The Umbrella Man And Other Stories by Roald Dahl A Puffin Book 279ページ |
短編集 | 2001年8月23日 | |
ストーリーの面白さ ★★★★★ | |||
この前のCharlie and the Chocolate Factoryに続いてRoald Dahl の作品ですが、これは大人向けの短編集です。英語は易しくすいすい読めてしまうし、しかもどのストーリーも奇想天外で面白く、いったん読み始めたらもうもうどうにも止まらない!!短編だから展開が早く、無駄な部分が1つもなくすぐに決着がつくので気の短い私にはぴったり。ペーパーバック初心者にもお勧めです。 表題になっている "The Umbrella Man" では、「私」と母親がカフェーを出て家に帰ろうとした時、雨が降ってくる。どうしようかと困っているところへ、老紳士が二人に声をかけてくる。「私は毎日長い散歩を楽しんだ後タクシーを呼んで家に帰るのを日課としている。しかし今日はこともあろうに財布を忘れてきてしまった。この老いた足では歩いて帰る力も残ってない。この傘と引き換えにタクシー代1ポンドだけ出しててもらいたい。」その傘は、20ポンドはするだろうと言う絹の上等な傘だったが、結局、母は1ポンドを彼に払って傘を手に入れる。何しろこんなことでもなければ一生持つこともないような上等の傘だから、それをさしてうきうきと帰ろうとした時に、足腰が弱って歩けないはずの老人が向こうの交差点を渡りひょいひょい軽やかに歩いている、と言うより、走っているのが見える。「そんなばかな。私はきっとだまされたんだわ」と、不当に安い値段で買い取ったのも忘れて母は叫び、その老人の後を追っかけ始める二人。いったい彼は何をたくらんでいるの?後は読んでからのお楽しみ。 |
タイトル、作者、出版社、ページ数 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Charlie and the Chocolate Factory by Roald Dahl (Illustrated by Quentin Blake) Puffin Book 155/ページ |
児童文学 | 2001年2月26日 |
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ストーリーの面白さ ★★★ | |||
Roald Dahl の "Machilda" がとても気に入ったので、同じ著者で同じイラストレーターの本を何冊か集めたうちの一冊です。Quantin Blake のイラストが大好きで持ってるだけで楽しくなります。大人が読んでも楽しくわくわくします。 児童文学のいいところはとにかく英語がやさしくて、大量の英語を速読する訓練にはもってこいだということ。イディオムやその他の上手な言い回しを習得することもできます。 主人公 Charlie は8人家族。お父さんお母さんと、二組のおじいさんおばあさんがいます。彼の家ははとっても貧しくてそんな大家族が住んでいるというのに何しろ部屋は二つしかなくて、唯一のベッドルームは二組のおじいさんとおばあさんが唯一のベッドのこっち側とあっち側に寝ていているのです。 Charlie はいつもすきっ腹を抱えて暮らしていて腹いっぱい食べたいといつも思っています。そして中でも彼が夢に見るのはチョコレートを思いっきり食べること。Charlieの家のそばには世界一大きくて、世界一おいしいチョコレート工場があります。そして工場の中ではたくさんの人が働いているはずなのに、不思議にも過去10年間その門は閉ざされたままになっています。ところがある日突然 オーナーである Wonka 氏は5人の子供たちを彼自らが工場に招待し案内すると発表します。そして Charlie はそのラッキーな5人の一人になるのです。チョコレート工場の中には Wonka 氏の発明した奇想天外なチョコレートやあっと驚く部屋がいっぱい。空想の世界が広がります。 |
タイトル、作者、出版社、ページ数 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Where the Heart Is by Billie Letts Warner Books 376/ページ |
ヤングアダルトフィクション | 2001年2月3日 |
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ストーリーの面白さ ★★★★ 人生について考えさせてくれる | |||
判がちょっと大きめの本で長編ですが、英語は読みやすいです。17歳で妊娠7ヶ月のNovaleeは幸せな新生活を夢見てボーイフレンドのWilly Jack とカリフォルニアに向かっていた。が、その途中オクラホマのウォールマートというショッピングセンターで捨てられ置き去りにされてしまう。行くあてもなくお金もなく途方に暮れたNovaleeはその日から出産までの数ヶ月間をこっそりとウォールマートで寝泊まりする事になる。そしてやがてウォールマートでの出産となり、それが大変な騒ぎとなり、レポーターは来る、テレビは来る、警察は来る、で彼女と赤ちゃんは一躍有名人に・・・と物語は意外な展開になっていきます。 7歳の時に母親に捨てられ、不幸で無知で無教養なNovaleeが、周りの心優しい人たちに助けられ、次第に人間として成長し、やがて自らの夢を叶え幸せをつかむことになるのです。シングルマザーのステレオタイプを完全裏切る母性愛にあふれた母親となるのですが、その不幸な生い立ちからして果たしてこれは現実にはあり得ることなのでしょうか? Novalee の物語と平行して語られるのが、彼女を置き去りにしたWilly Jack のその後である。Novalee が人を疑ったり恨んだりする事のできないお人好しであり善の象徴であるなら、彼はずる賢く自己中心的なおよそ彼女とは正反対の人物。 タイトルの"Where the Heart Is" は彼女がWilly Jack と一緒にいた最後の日に彼に言った言葉である。彼の手を取り自分のお腹に当てさせ、「赤ちゃんがいるのがわかる?その小さなボム、ボムっていう鼓動を感じる? そこが心臓のある場所よ。(That's where the heart is)」と言うのだった。しかし彼は答える、「分からない、感じない」と。それは彼がついたあまりに大きなうそであり、あまりに大きすぎて彼が一生背負っていかなくてはならないようなうそだったのだ。人はなぜうそをつくのか?恐れているから?愚かだから?卑しいから?そしてもしラッキーならそのうそを正すことのできるチャンスはたった一度、そしてそのチャンスを逃したらそれは二度と戻ってこない。物語の最後にWilly Jack は彼女と再会する。そして彼女は彼と会うことにより、自らの幸せをつかむ勇気を得るのです。 |
タイトル、作者、出版社、ページ数 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Windmills of the Gods by Sidney Sheldon Warner Books 434/ページ |
サスペンス | 2001年1月5日 |
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ストーリーの面白さ ★★★★ 読み始めたらやめられません | |||
シドニーシェルダンの小説はたいていどれも読み始めたらやめられない、ページをめくるのが待ちきれない、しかも英語はやさしく簡潔でストーリーの運びもスピーティで、多少ページ数が多くても速く読めるのでペーパーバックを初めて読む人には特にお勧めです。 主人公の Mary はカンザス州立大学で「東欧政治科学」を教える助教授。ある日新しく米大統領に就任した Paul Ellison からルーマニア大使になるよう要請を受けます。まだソビエトが存在する「鉄のカーテン」の時代で、新大統領は国交が断絶していたルーマニアとの関係を復活させることを新政府の目玉とし、さらにそれを第一歩として、東西を融合させ世界平和を実現するという理想を掲げて政策を打ち出します。アメリカの良いイメージを樹立するために ugly Agmerican (見にくいアメリカ人)の正反対の、美しく聡明でパーフェクトなイメージを持った Mary が大使として選ばれたのです。彼女は一躍、全米はもとより全世界の注目のスターになる。しかしその背後には恐ろしい陰謀が進行・・・・そして世界で最も優秀な暗殺者が秘密組織と契約を結び彼女の暗殺を図ろうとする。最後の最後まで誰が味方で誰が命を狙う敵なのかわからず、どんでん返しがあるのはいつものとおり。スリルあり、サスペンスあり、ラブストーリーあり、最後まではらはらドキドキしながら一気に読めてしまいます。 ところで、彼女には政治的、外交的経験はなく、大統領により特別に任命された大使だったわけですが、生え抜きの外交官達は面白くなかった。「大使館で働くはえ抜きの外交官達は波風を立てないようにしようとするが、特別任用された素人は物事をかえようとする、彼らにとってはアマチュアがプロに仕事の仕方を教えようとしているようなものだ」からである。こういう図式はどの世界にも、この国にでも見られるもののようです。私達が望むのはまさに新しい発想で現状を変えていこうとするアマチュアの理想主義だと私は思うのです。 |
タイトル、作者、出版社、ページ数 | ジャンル | 読み終わった日 | |
People of the Lie by M. Scott Peck, M.D. Simon & Schuster /269ページ |
心理学 | 2000年12月29日 | |
内容の面白さ ★★★★ 心理学に関心のある方はぜひ | |||
読んでいるペーパーバックはほとんどがフィクションなので、私には珍しいジャンルの本です。"The
Hope for Healing Human Evil" という副題があるように、この本は人の「悪」についての考察と「治療」について述べたもので、気軽に読むには内容が重く、考えつつ読み進まなくてはならないので時間がかかってしまいました。 作者の精神科医としての経験からあげられているいくつかの事例は、どれも大変興味深いものです。特殊なケースだと思うものもあるかも知れないけど、ここに描かれている人たちは、程度の差こそあれ、自分であるかも知れないし、あるいは自分の周りにごく普通にいる人たちでもあるのです。作者によれば精神科医のもとにやってくる患者は、むしろ邪悪な人たちの犠牲になっているケースが多く、特に子供の場合は親の方が病んでいる、すなわち「邪悪」であるケースが多いのだそうです。 「邪悪な人達」は自分は非難の対象外と考え、「完全な自己像」を守るために他人をスケープゴートにする、つまり他人に罪を転嫁するのです。彼らにとっては善は見せかけのレベルでしかない。外観、世間体、イメージが大切であり、人から良い人に見られたいという願望が強く、そのため人並み以上の努力をする人たちでもあるのです。 非常に興味深いと思ったのは「あるものに正しく名前を付ける、あるものの名前を知るというのはそれに対してある程度の力を得ることである」と書いている部分です。自分の向かっているものが何者であるかを特定し、認識することができて初めてその対処の仕方を考えることができるのです。病気の名前が分かって初めて、その治療法を考えることができるのと同じです。名前を知らなければまさしく「名付けようのない恐怖や不安」を感じるのです。科学はこれまで人間の悪に対して適切な名前を与えることができず、また「邪悪」をテーマにした研究もされていなかった。「悪の研究」には大きな危険が伴うからです。 後半は1968年、MyLai というベトナムの南部の村で米軍によって行われた大量虐殺を例に挙げ、「集団の悪」についてふれ、なぜこのようなことが起こったか、またそれを繰り返さないようにするためにはどうすればいいのかを論じている。ベトナムで起こったことは世界中の歴史を通じて起こってきたことであり、また今も起こっている現実なので、これ以上の悲劇を繰り返さないためにもみんなに読んでもらいたい本だと思います。 |
タイトル、作者、出版社、ページ数 | ジャンル | 読み終わった日 | |
The Partner by John Grisham Island Books /468ページ |
法律物フィクション | 2000年11月22日 | |
ストーリーの面白さ ★★★★ アメリカの司法の仕組みがちょっとわかる | |||
このペーパーバックのページを見てお便りを下さった鈴木さんのごひいきの
「John Grisham」の作品の2冊目です。 Patrick Laniganは若くて有望な弁護士であった。ミシシッピーのある法律事務所の新しいパートナー(経営弁護士)となったのだが、ある日、事故で炎上した車の中で完全焼死してしまった。ところが彼の葬儀が行われた直後に彼の法律事務所に送金される筈の9千万ドルが忽然と消えてしまい、実は彼は生きていて、その金を持って逃げたのではないかと人々は確信するようになった。 物語はいきなり4年に渡る逃亡生活の末、彼が捕まるところから始まります。そんなわけで、最初の部分は話が全く見えないうちに進んでいくので五里霧中の感がありますが、徐々に彼の失踪とお金の謎が解き明かされていくにつれ、おもしろさが増してきます。 Patrick は切れ者の弁護士であり、綿密な計画の基に自分の死をでっち上げ、まさに完全犯罪をもくろみ、さらに捕まった後のシナリオも描いていたのです。司法の仕組みには、特にアメリカの仕組みにはさっぱり明るくない私ですが、法律の裏表知り尽くしていればそれを自分の味方にし、武器にすることが可能になるようです。Patrick は法律の知識を駆使して、最後には天下晴れてしっかりお金も自由も愛する女性も手に入れハッピーエンドに・・・となる筈なのです。 しかし、いかに用意周到で水も漏らさぬ計画であってもまたどんなに頭脳明晰な男であっても、予測できないもの、判断を鈍らせてしまうものが世の中にはあるのです。 4年もの逃亡生活に Patrick はとうとう「疲れ果て、最後にはあきらめた」と言うのですが、「あきらめ」とは何を意味するのでしょう。思いもかけない真相が物語の終わり頃になって明らかに・・・そして、意外な結末へ。 人は誰でも人生のある時点で、消え去りたい、失踪したいと思うことがあるのだと Patrick は言います。自分たちは皆、惨めな生活を捨て、より良い生活を求めてアメリカに渡り、さらに金(gold) を求めて西へ西へと移動してきた移民の子孫なのだからというのです。アメリカ人だけでなく、今の自分ではない全く別の自分になり、全く別の人生を生きてみたいという願望は誰にでもあるものではないでしょうか? |
タイトル、作者、出版社、ページ数 | ジャンル | 読み終わった日 | |
A Child Called "It" by Dave Pelzer HCI /184ページ |
ノンフィクション | 2000年10月14日 | |
ストーリーの面白さ ★★★★ Child Abuse に関心のある人必読 | |||
先月アメリカに旅行した時に仕入れててきた本のうちの1冊です。Child Abuse
(子供の虐待)について書かれた本で、この本の著者の Dave Pelzer が自らの体験を綴ったものです。タイトルが示すとおり母親は彼を
"It" と呼ぶ。「お前は It だ、お前は人じゃない、お前は存在していない、お前など死ね!!」。想像を絶する程の悲惨でショッキングな肉体的、精神的な虐待が描かれています。このケースはカリフォルニア州で起きた児童虐うち3番目にひどいものであったというが、すると1番目、2番目はいったい全体どんなものだったのでしょう?それにしてもなぜ?と思わざるを得ないのは、明らかに彼の体にも彼の外見にも、誰が見ても明らかにそれと分かる無数の証拠があるにも関わらず、どうして永遠とも思えるような長きに渡って虐待が繰り返されたのか?そして何よりなぜ父親が息子を助けられなかったのか?あまりに無力で小さな父親の存在に、母親に対する以上に怒りを感じざるを得ません。Dave
の目、耳、体を通して彼の痛みと言い知れぬ孤独がひしひしと伝わってきます。 情報源により数字は多少異なるが、アメリカでは5人に1人の子供が肉体的、精神的、性的に虐待を受けていると推定されているのだそうである。そしてほとんどの虐待は親が我が子をしつける「権利」を行使していてそれが多少行き過ぎたものであると信じている人たちが多く、そういった人たちは多少の行き過ぎがあってもそれが大人になるまでその子供に影響することはないと考えている。しかし実際は虐待の犠牲者となった子供はいずれ、その蓄積されたフラストレーションを将来我が子や配偶者に向けることが多いのだ。Dave は孤独と虐待を肉体的にも精神的にも生き残り、現在は「唯一の過失は自分の息子を愛と励ましで甘やかしていることだ」と言う愛情あふれる父親として、また児童虐待の犠牲者となっている子供達を救済するために活動している。その活動に対し、数々の賞が与えられ、アメリカでJohn F. Kennedy yや Richard Nexon 他そうそうたるメンバーと共に「10人の傑出した若いアメリカ人」の一人としてリストに揚げられ、また日本の神戸でアメリカ人としては唯一の「世界で傑出した若者」の一人として賞を与えられている。また1996年オリンピックの聖火ランナーにもなったのだそうである。 人はどんな過去があろうともそれを克服し、より明るい世界へと前向きに進んで行くことができるというメッセージがずんと伝わってきます。皮肉なことではあるが、その悲惨な過去故に他の人達が当たり前として受け取っている人生に対し深く感謝する事ができると言う。ともすれば吸い込まれてしまいそうなブラックホールのような暗い過去を克服し、人間としての尊厳を保ち悲劇を自らの意志と勇気で勝利へと導いていった彼に、惜しみない拍手を送りたい。 エピローグで彼が子供の頃の思い出のある川辺で、小さな息子と二人たたずむ情景は、過去の悲惨さ故にさらに感動を誘います。小さな息子が"Love you ,Dad." と言う。 "Love you, too, son." |
タイトル、作者、出版社、ページ数 | ジャンル | 読み終わった日 | |
The Ghost by Danielle Steel Dell Fiction /420ページ |
ラブストーリー | 2000年9月3日 | |
ストーリーの面白さ ★★★★ 泣けるよ | |||
ヨーロッパを舞台に活躍する建築家の Charlie と弁護士の妻 Carol は、人もうらやむ理想のカップルであったはずなのに、Carol
は Charlie を裏切り、同じ法律事務書で働く、61歳で彼女とは22歳も年の離れた男の所に行ってしまった。最初の数十ページは、妻
Carol との10年間の結婚生活に破れたCharlie が悲しみに暮れ、来るページも来るページも「いかに彼女を愛しているか」、「何故彼女が自分を捨てたのか」と延々と嘆き続けているので、一体この描写どこまで続くのだ、こりゃたまらないぞという感じではありました。気の短い方は最初の数十ページちょっと辛抱を!!(あ、私のことか?) ロンドンのオフィスからニューヨークに意に反して転勤をさせられたCharlie は、クリスマスを前にスキー旅行に出かけることになったが、途中、吹雪にあい、Boston 近郊の Shelburne という小さな町で Bladys という女性の"Bed & Breakfast"(朝食つきの民宿のようなもの)に泊まることになる。Bladys は69歳という年齢にもかかわらずエレガントで美しい女性だったが、14年前息子とその妻を事故で、さらにその後続けて夫をも失い、一人きりで暮らしていた。孤独なクリスマスを迎えるのを何より恐れていた彼女のもとにやってきたCharlie は天が与えたクリスマスプレゼントだった。そして愛する人を失って失意のCharlie にとってもそれは同様だった。 メリークリスマスを言おうと、元妻の Carol に電話した彼は彼女に「すばらしい女性に出あった」と言います。Carol は「良かったわ、そうなってほしかった」と言うのだが、その直後Charlie が「もうすぐ70歳になる女性だ」と言うと、彼女は彼が神経衰弱にでもかかったのではないかと急に不安になる。しかしこれって理不尽な考え方じゃないかなあ?だって61歳と69歳て、どれほど差があるの?Danielle Steel にはぜひとも69歳女性と42歳男性(これはCharlieの年です)の恋物語にでもチャレンジしてもらいたいものです!! しかし実際、彼とGladyの関係は丁度母親と息子のようなものだった。彼女は彼よりもさらに大きな喪失にあいながらその試練に負けることなくしっかりとそこに立ち、生きつづけている。彼女との出会いが彼の心を少しずつ癒してくれた。 やがてGladys は1777年に建てられた古くて美しいお城に彼を案内し、そのお城に強く魅せられた彼はそこを借りることになった。そこでの初日に彼は、類まれなる美しい女性に会うが(今度は若い女性だ!と思ったら)、それは2世紀も前にその家に住んでいたSarah という女性だった。その後 Charlie が Sarah に会うことは2度となかったが、やがて屋根裏から彼女の日記を見つける。 Sarah は暴力的夫から虐待と侮辱を受け続けていたが、ある日とうとうその夫から逃れ一人、ロンドンから海をこえボストンに渡り自らの勇気で自由を勝ち取る。そしてインディアンと白人の争いが繰り返される中、彼女はMassachusettsで農場を始める。 やがて彼女はFrancoisという男性と知り合い深く愛しあうようになり、いつしか過去を過去として受け入れ本当の自由と幸せを勝ち取って行く。過去がどんなに苦しみに満ちたものであってもまた再び人生を続けて行くことを恐れず幸せをつかんでいったのだ。 Sarah は2世紀も前に死んだ女性であるにもかかわらず、そのパワフルな生き方でCharlieに希望と勇気を与えてくれた。この前のTestamentが空間を隔てた描写をしているのに対し、この作品は現代と18世紀という二つの時を隔てた物語が、微妙に結び付けられ交互に語られている。 Francoiseはフランス革命の時にアメリカに渡ってきたフランス伯爵であったが、Iroquois 部族のインディアンと共に暮らし、その代弁者としてその権利を守るべく、部族間や政府との交渉をし、自ら戦いもした。いかに白人入植者達が不当にインディアンを迫害し権利をうばってきたことだろう。彼はSarahに Iroquois 部族について次のように語っている。Iroquois は宇宙にあるすべてのものと特別の絆を持っており、周りのすべてのものはそれ自身の魂を持っていて神聖なものである。Kiehtan(インディアンの言葉で「神」表す)は、宇宙にあるすべてのもの、生命、存在を支配していて、人は Kiehtann が彼らに与えてくれる食物、生命すべてに常に感謝をしなくてはならない。そしてすべては公平でなくてはならない。Iroquois では夫が妻を虐待すれば妻は夫から去ることができるのだ。実際彼らは私達現代人よりはるかに知恵があり、文明的手ありより近代的であるように感じられます。 この作品に何度も繰り返し出てくるのが、「互いの人生がここで交差したのは何らかの意味があるのではないか。」という言葉です。すべては神の導きか運命なのでしょうか?人生は短く、この一瞬、一瞬が大切なのだと改めて思わずにはいられません。最後は涙、涙のしめくくりでした。英語も簡単だし、泣いてみたいかたはぜひお読みください。 |
タイトル、作者、出版社、ページ数 | ジャンル | 読み終わった日 | |
The Testament by John Grisham Island Fiction /533ページ |
法律物フィクション | 2000年8月14日 | |
ストーリーの面白さ ★★★★ 前半ペースが遅いが、後半はページをめくるのが待ちきれない | |||
この「楽しいペーパーバック」ページを読んでお便り下さった鈴木さんがお勧めのJohn
Grishamの作品からの一冊です。鈴木さんはGrishamの作品でペーパーバックになっているものはすべて読まれたそうです。「彼の作品は必ず社会問題をテーマに織り込んでいるのが特徴で作品を一つ読むと、少しアメリカの社会が分かって得したような気がします。」とおっしゃっています。実は今手元にあるGrisham
の本はどれもこれも400ページか500ページ以上の分厚い本ばかりでなかなか一気には読み終えることができなさそうなものばかり。鈴木さんすごいです!! 実は私はこれだけ長編になると辛抱ができず、ついぱらぱらと拾い読みを、それもかなり熱心にやってしまうので、読み終わる前から結論を知ってしまうという悪癖に陥ってしまうのです。今回もまたまた悪癖が・・・ Troy Phelan は自分の努力と手腕一つで百億以上もの財を成し遂げた男だったが、私生活は孤独で悲惨なものだった。彼には3度の結婚と離婚から3人の妻と6人の子供達がいるが、この日、元妻、子供達を一同に集め、自分が遺言書を残すに十分に精神的に正常である、すなわち「気が狂っていない」ということを世間に証明するために高名な精神科医3人に精神鑑定させるという変わった設定から物語が始まります。そして正常であると証明されて後、彼は皆の見守る中最後の遺言書に署名をするが、その直後にビルの窓から飛び降り自殺をする。誰もが思いがけない展開に驚くが、彼の死により元妻と子供達は莫大な遺産が転がり込むと思いこんで大喜び、翌日にはもう待ちきれずに入ってくるはずの遺産を当てにして車は買う、家は買う、船は買う。何しろ彼らはそれ以前からすでに首まで借金に埋もれているというどうにもならない奴ばかり。ところが何と彼自筆の最後の遺言には元妻達には遺産はなし、子供達には今日現在12月9日までの借金が返済できるだけの金額をプレゼントするが残りのすべてである約110億ドルは「婚姻外の子供」である Rachel Lane と言う女性に残すと記されていた。そして最後の遺言は翌年1月15日まで発表してはならないと書かれていた。自分の死後の筋書きまでしっかり作っていたのだ!! しかし誰も Rachel Lane 等と言う名前はきいたこともない。実は彼女は World Tribes Missions と言う組織に属しブラジルとボリビアの国境ににあるPantanal と言う辺境の地に住み原住民にキリスト教を布教するために人生をささげている宣教師だった。遺言執行者として指名されたJoshは、Nateと言う非常に切れ者の弁護士ではあるがアル中で何度も依存症治療センターを出たり入ったりを繰り返している男に謎の女性Rachelを探す旅に出るように言う。物語は手付かずの大いなる自然と永遠の流れの中、時間もお金も何の意味も持たない、近代文明からまったく隔離されたPantanalでのNateのRachal捜しの旅と、お金と物質がすべてを支配する世界で遺言の不当性と無効性を訴えて争う子供と妻達そしてそのおこぼれにあずかろうとする弁護士達とを対比するように交互に語られている。 自分の生死をかけての旅の末、やっと見つけ出したRachalは遺産には全く関心を示さず、書類に必要な署名をすることも拒否する。そして彼女と出会い、Pantanelでの生死をさまよう経験を通して、Nateはアルコール依存症からも過去の自分からも確実に立ち直って行く。 Rachel が無関心である以上、遺言状の有効性について戦うことに何の意味があるのか? しかしJoshは自分のクライアントであるTroyの遺言を着実に実行しその遺志を守るために戦うことが弁護士としての使命であると考え、弁護士をやめて新しい人生を歩もうとする Nate に彼女のため最後の仕事をするように説得し、彼はそれを引きうける。 目下、有名人の遺産をめぐる争いがテレビのワイドショーで毎日放送されていますが、日本では遺言状を生前に書くと言う習慣はあまりありません。財産を持っている皆さんは、元気なうちにちゃんと遺言状を書いておきましょう!! Rachel が11年間を共に過ごした Ipica 族には時計は存在しない。私達は時計を持つようになってから時間に支配されるようになったのでしょう。お金を持つようになってからお金に支配されているのと同じでしょう。Rachal によればそれは「お金崇拝」と言う宗教であり神のいない孤独な生活なのだそうです。 |
タイトル、作者、出版社 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Harry Potter and the Sorcerer's Stone by J.K.Rowling Scholastic /309ページ |
児童文学 | 2000年7月20日 | |
ストーリーの面白さ ★★★ 2001年12月に映画になりました | |||
かの有名なハリー・ポッターとは何者なのか?それを知るには一度は読んでみなくては、というわけで読んでみました。Harry
は実は魔法使いだったのです。この本の中には魔法界の専門用語(?)がいろいろ出てくるので魔英辞典をまず手に入れましょう。(すみません、うそです、そんなものありません・・・)たとえば初っぱなで出てくるのが"Muggle"という専門用語。これは魔法使いに対して魔法を使えないごくフツーの人のこと。 第1章の20ページ程度は、わけのわからない言葉やら、何人もの魔法使いや魔女が出てきておまけに意味不明なことを言ったりしているのでちょいと辛抱が必要です。またイギリス英語のせいか、私にはなじみのない言葉も結構出てきたのでなおさらです。でも第1章をクリアーすれば後は物語に自然に入っていけます。 魔法使いも上手に魔法が使えるようになるためにはちゃんと学校へ行って勉強しなければなりません。魔法使いであった両親を亡くし、Muggle である叔父と叔母に育てられ孤独で惨めな生活をしていたHarryだったが、彼の11歳の誕生日に魔界から入学案内の手紙が届きます。 表紙を見てわかるようにやっぱり魔法使いは今もほうきに乗ってマントを身に着けているのだと妙に感心。でもこのほうきにも実は値段の高いの、安いの、ブランドのがあったりして Harry が乗っているのは Nimbus Two Thousand という最高級のブランドほうき。つまり魔法界もMuggle界も人間性(?)には差がないのですねえ。 折しも先日友人宅で、コンピュータゲームの相手をさせられてしまったのですが、まさしくいろんな呪文や魔法をかけて自分の城を守り相手の城を破壊するというもの。それで思ったのですが、この本はストーリーのあるコンピュータゲームになんか似ているなあと。Harry とその仲間はかつて彼の両親を殺し、魔界を制覇しようとする邪悪な魔法使いと戦うことになるのですが、その過程で読者が、またHarryやその仲間達がわからなかったなぞが次第に解き明かされていくというわけです。 ある夜、Harry が着ると姿が見えなくなる魔法のマントを着てこっそり禁断の部屋に入り鏡を見つけるというシーンがあります。その鏡を覗くとマントで見えないはずの自分の姿とともに、すでに殺されていて顔も覚えていない自分の父、母、そしてさらに彼の一族全員の姿が映っていた。ところがその同じ鏡を覗いた友達のRonの見たものは立派に主席になって立っている自分の姿だった。実はこの鏡は人の心の一番深い所にある願望を映し出しているのだった。人はそれを見て映されているものが本当かどうか、またそれが可能かどうかもわからずそこで見たものに取り付かれてしまい呆然となり生きることを忘れてしまう、あるいは気が狂ってしまうのです。鏡を再び見てはいけないと言われたHarry は、忘れようとしても忘れられず繰り返し鏡の夢を見るのです。果たして自分が覗いて見た時に見えるものは何でしょうね?なんだかすごく怖いような気がします。 2001年12月に映画化されたので早速見に行きました。本で読んだものを映画にするとこうなるのかと納得しました。本で読むよりはるかに迫力があって私には映画で見る方が面白かったです。そんなわけで映画は5ツ星でしたが、私には文体が合わないのか想像力が欠如してるのか本は三ツ星となりました・・・。 |
タイトル、作者、出版社 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Matilda by Roald Dahl Puffin /240ページ |
児童文学 | 2000年7月7日 | |
ストーリーの面白さ ★★★★ | |||
私の高校生の生徒が学校の課題にもらってきたのがこの"Matilda"を易しく書き下ろしたものでした。全体をぱらぱらと見せてもらったところすごく面白そうだったので、アマゾンでオリジナルを探し出して即、注文。届いたこの本を見たとたんすっかり気に入ったのが、まずQuentin
Blake のイラストが断然かわいいってこと!!解説によると Roald Dahl の作品の大半は彼のイラストになるものだそうです。そこで読み終わったあとすぐに、同じ作者でしかも同じイラストレーターの作品を何冊か注文してしまいました。(ちなみに高校生向けに書き下ろしたバージョンには残念ながらこのイラストはなくて替わりに写真が載っていました。どうやらこの本は映画にもなっているようでです。) 勿論肝心の中身も最高!!主人公のマチルダ は人並みはずれて頭の良い女の子。何しろ1歳半で完璧にお話ができるようになり、すでに大人と同じくらいの言葉を習得。ところが両親は子供にはまるで無関心で彼女を「うるさくおしゃべりで愚かな女の子」と呼んで彼女の飛び抜けた知性に全く気づこうともしません。父親はインチキ中古車を人に売りつけて金儲けをすることしか頭にないし、母親のはもっぱらビンゴ遊びにあけくれ、忙しくてごはんを作る暇も気力もなくて、夕食はいつもTVディナー(チーンすればすぐ食べられるアルミのお皿にのった冷凍食品の詰め合わせパック)かフィッシュアンドチップス(魚のフライと棒状のポテトフライのファーストフード)。家族でテレビの前に座り、膝にトレイを乗せてメロドラマか何かに目を釘付けにしながら食事をするのです。 マチルダは3歳にして新聞や雑誌を読むことを一人で覚え、4歳にはすいすい読めるようになります。ある日マチルダは父親に本を買ってほしいとお願いするのですが、「うちにはすばらしい12インチテレビがあるというのに何が不満なんだ」などと怒ります。彼女の両親にとって読書はくだらないもので何の腹の足しにもならない。そこでマチルダは図書館に通い始めるのです。小さなマチルダが図書館の隅っこにある足も床に全然届かないような大きな肘掛けイスに座り、大きな重たい本を膝に乗せて前にかがみ込んで読書に没頭している姿はかわいくて私はもう釘付けです。 やがて学校に行くようになると初日から担任の Honey 先生は彼女の並はずれた知性を発見してビックリ仰天、早速一番年長のクラスに彼女を編入させるように校長のMiss Trunchbul にお願いするのですが、全く取りあってもらえません。Miss Trunchbul は元砲丸投げの選手で筋骨粒々、恐ろしい風貌の大女、大人の男だって太刀打ちできません。気に入らない子供は本願投げの要領でびゅんびゅん投げちゃったりするのです。彼女は子供が大嫌いでいつも横暴で理不尽。、ある日、彼女の怒りがどんどんふくらんで頂点にまで達します。マチルダは何事であれフェアーじゃないことは許せない。正義感いっぱいのマチルダは不正や理不尽を許さない!! 児童文学は当然ながらたいてい文体も用語も易しいものが使われているので読みやすい。大人には物足りないものもあるけど、大人の鑑賞に堪えることのできるものもいっぱいあるので子供だけのものにしておくのは絶対もったいない。中には何でこれが児童文学のジャンルに入ってるの?と思うような美しくすばらしいものもあったりする。何よりシンプルでストレートなそのメッセージは直接ストーンと心に届くのです。 |
タイトル、作者、出版社 | 読後感 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Message in a Bottle by Nicholas Sparks Warner /370ページ |
真実の愛は人の心を打たずにいられません。 | ラブストーリー | 2000年7月2日 | |
ストーリーの面白さ ★★★★ 絶対泣けます | ||||
Theresa は36才、ボストンのある新聞社でコラムニストとしてのキャリアを築きつつある。夫
の裏切りから離婚。その後、3年目の夏のこと、一人息子の Kevin がカリフォルニアに住む夫の元で夏休みを過ごすことになったため、彼女は上司でもあり友人でもある
Deanna 夫妻に招かれてニューイングランドの Cape Codで休暇を過ごすことになる。そこで彼女は海岸に打ち上げられた瓶に入ったメッセージを見つける。それは
Catherine という女性に宛てられた手紙で、何らかの理由で彼女を失った手紙の書き主がその悲しみと愛を綴っているものだった。そこにあふれる彼女への愛があまりに悲しく美しく人の心を打たずにはいられないものだったため、Deanna
は Theresa にその手紙を新聞のコラムで紹介するように提案します。あまりに忙しく日々の生活に追われロマンスなどとうに忘れてしまったかのような現代人の心に、この手紙は「真実の愛が今も確かに存在するのだ」というメッセージを送り、大反響を呼ぶ。そしてそのコラムを読んだ読者の一人が
Theresa と同様にして手に入れた同じ作者のものと思われるもう1通の手紙を彼女の元に送ってくる。そしてやがて第3番目の手紙が見つかり、彼女は名前も姿も知らないその謎の男性に惹かれ始め、とうとう彼を捜して会いに行くことに・・・ 今流行中のインターネット恋愛なるものを考えると、ボトルに入れたメッセージというのは、かなりロマンチックな設定です。しかし女性なら、いや女性ならずとも人は誰しも永遠に続く真実の愛を求めて生きているのではないでしょうか。そして真実の愛は得難くまれなものであるが、それこそが人生を真に意味あるものにする唯一のものなのです。アナログでロマンチックな設定だと思ったけれど、彼を捜し当てた手段はマスメディアとインターネット検索によるもので、そこがやっぱり現代の作品だなと妙に納得。 Theresa と手紙の作者である Garrett は初めてあったその日から惹かれあい、やがて深く愛し合うようになるのですが、 Garrett は Catherine を乗り越えることがなかなかできない。しかしやがて Theresa が自分の運命の人であると心から悟ったその時に Catherin に最後の手紙を送ります。 最後は実はとても悲しい結末を迎えるのですが、真実の愛の強さと、そして人は愛する人を失った悲しみがどんなに深く、耐え難いものであってもいつかまた誰かを愛し、人生を続けていく力を持っていることを信じさせてくれ、勇気をもって生きていく力を与えてくれる作品です。 |
タイトル、作者、出版社 | 読後感 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Morning, Noon & Night by Sidney Sheldon HarperCollins /368ページ |
誰が一番自分を理解し、愛してくれているのか見極めるのは難しいのかも知れない。 | エンターテインメントフィクション | 2000年6月20日 | |
ストーリーの面白さ ★★★ シドニーシェルダンの作品としてはもうちょい賞 | ||||
世界的大富豪のHarry Stanford には二人の息子と一人の娘がいた。彼の妻は彼を敬愛し、多少のお遊びには目をつむっていたのだが、
Harry が子供達の家庭教師であったRosemaryという若くて魅力的な女性に手を出し妊娠させたことを知り自殺してしまいます。彼のようにルックス良し、金もあり、男としての魅力も備えていればどんな女も思いのままであったが、Rosemaryは彼を拒絶した唯一の女性であったためになおさら彼女に夢中になったわけです。妻の自殺の後、Rosemaryは行方をくらまします。 3人の子供達は母親とRosemaryという二人の最愛の女性を同時に奪われてしまったことで父親を憎み反抗したために、3人それぞればらばらに別々の寄宿学校に入れられわずかな小遣いを与えられて質素な生活をさせられる。そして彼らがが何をどんなに一生懸命がんばろうと得られるものは父親のさげすみと嘲笑のみ。娘のKendallについて「私の娘は馬のような顔をしているから金をいっぱい積んでどこかの間抜けな男を引っかけるしかないだろう」などと公然と言ったりするのです。長男のTylerは実はホモでそのことを知った父親Harryは彼に世間を欺くための結婚をさせるのだが、悲惨な結果に終わります。今現在Tylerは判事としての社会的地位を得たのだが、彼がこの道を選んだ理由はいつか父を破滅させたいと思ったからだった。夢の中で彼は何度も父親に判決を言い渡すのです。「母親を殺した罪で電気イスでの死刑を宣告する!」彼には今夢中になっている誰より美しいLeeと言うホモ男がいる。しかしLeeには何十人もの崇拝者がいて、その競争に勝つためにはお金しかないのです。何しろLeeは「高くつく」男なのだ。次男のWoodyはポロの選手になりたかったのだが、父親にその夢を壊される。「おまえに何ができる」というのが子供達への父親の一貫した態度であり、また子供にはびた一文与えてやるものかと決めていたようであった。 ある日Harryは船から転落して謎の死を遂げる。しかし驚いたことに、彼の遺言には遺産は子供達全員に均等に与えると記されていた。そこにRosemary の娘と称する若く美しい女性がいきなり登場。 最後の最後まで繰り返されるどんでん返し、358ページ目であっと驚く父親の最後のしっぺ返しにお見事!座布団一枚!ってところでしょうか。 |
タイトル、作者、出版社 | 読後感 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Outbreak by Robin Cook Pan /366ページ |
髪の毛総立ち、心臓どきどき。 | 医学ミステリー | 1回目、1990年頃 2回目、2000年6月11日 |
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ストーリーの面白さ ★★★★★ スリル満点 | ||||
この作品はロビンクックの作品の中で私が最初に読んだ本であり、一番好きな作品でもあります。作者のロビンクックは元お医者さんなのだそうです。医学用語もいっぱい出てくるのでちょっと読むのが大変かもしれませんが、文体そのものは簡潔でわかりやすく、ストーリーも面白く、映画化もされているようです。 この物語の主人公Marissaは31才。身長5フィートと言う私とほとんど同じくらいの小柄なドクターであるというところが気に入って、感情移入もいつもに増して主人公になりきってしまった私です。しかし、小柄ではあるが、それを除いては彼女のルックスは申し分なく目はダークブラウン、まつげもびっしり。彼女を表すのにcuteと言う言葉が何度も使われています。 エボラと言う速効で死に至るビールス性の伝染病がロサンゼルスで発生。その後アメリカの各地でエボラが発生するのだが、その感染経路は全くの謎。エボラはなぜか施設の整った近代的で洗練された病院を好むようであり、しかもその最初の犠牲者はそういった病院の医者でありその医者の診察を受けた患者ばかり。そして多大な死者を出した後、エボラの猛威が収まる頃には病院は決まって廃墟と化しているのです。彼女はCDC(Centers for Disease Control)に着任したばかりの医者で、早速、最初の発生地ロサンゼルスに飛ばされるのですが、滞在していた先のホテルで彼女のボスであるドクターDubchekの部屋に呼ばれます。そこで、いきなり「私の妻は2年前に亡くなった、妻が亡くなってから初めて心惹かれる女性に出会った」とMarissaに告白。彼は医学に打ち込み情熱を燃やしていて、十分尊敬に値する医者でもあり、申し分なくハンサムで彼女自身心惹かれていたにも関わらず、その誘いを断ってしまったのです。しかしその後からなんだか急に彼女への風当たりが強くなり、エボラ発生の真相究明のための行動も制限され、釈明の機会もディスカッションのチャンスも与えられずフラストレーションがたまるばかり・・・これはれっきとしたセクシャルハラスメントではないのか・・・?彼女の回りには他に彼女を一目見るなりのぼせ上がってしまった4才年下の微生物学者と22才年上の眼科医という崇拝者がいてこれまた面白い展開になっております。 エボラ発生には実は戦慄ものの恐るべき真相が隠されていたのですが、彼女が真相に近づくと彼女の生命が危機に・・・繰り返しMarissaが襲われ、間一髪で逃れ、一難去ってまた一難の息をつかせぬ展開にもう心臓はどきどき、髪の毛は総立ち、この事件、解決するまで眠れません。それにしても作者があえて巨大な悪と戦うのに小柄なマリッサを選んだのは何か特別な意図があったのでしょうか?また初めて読んだときエボラという伝染病はロビンクックの想像の産物だと思っていたら実は本当にある病気だと後々になってから知ってビックリしました。 |
タイトル、作者、出版社 | 読後感 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Memoirs of a Geisha by Arthur Golden Vintage Contenporaries /434ページ |
運命に逆らわず、運命に導かれながらも、常に希望を失わず強く願って努力するものです。 (鈴木さんの感想) |
実在の人物をモデルにしたフィクション | 2000年 5月28日 |
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ストーリーの面白さ ★★★★★ 面白いのでボリュームはあっても苦にならない | ||||
アメリカ人の友人が本を何冊かプレゼントしてくれたのですが、そのうちの一冊がこれ。 「分厚い、字が細かい、おまけにふつうのペーパーバックのサイズより一回りか二回り大きいという三重苦もの」 もらった時は、とほほ・・という気分だったのですが、ストーリーのおもしろさと機知に富んだ描写の数々に引き込まれて、めでたく10日間で読破しました。この間まさに「今夜も私は睡眠不足」の日々。実はこの本はすでに英語で400万部が売れ、21カ国語に翻訳されたというベストセラーで、スピルバーグによる映画化が計画されているのだそうです。日本語版も出ているのではないかと思います。 貧しい漁村に生まれた主人公ちよ後改め、さゆりは、9才で京都祇園の置屋に売られてきます。置屋に着いたその日から同じ置屋に住む「初桃」という、売れっ子で際立って顔かたちは美しいが、心は悪魔の権化のような先輩芸者に執拗にいびられ、陥れられ、身に覚えのない借金ばかりが増えていくつらい毎日。(と言っても何しろまだ子供だし、どのみち一生かかっても払いきれないほどの借金がなぜかあるわけで、それがどうした?ってところなんですが。)置屋から逃走を図ったことで芸者としての将来も閉ざされてしまいます。と言うとなんだか陰気でどよーんとしたイメージですが、そして確かに陽気な話しではないのですが、さゆりの感性と表現の豊かさ、機知に富んだ人物や物の描写は実におもしろくユニークで、的を得た描写に思わず吹き出してしまうところがいくつもありました。たとえば彼女は故郷の小さな傾きかけた自分の家を"tipsy house"(千鳥足の家) と呼んでいました。それは日本海から吹く風をもろに受ける崖の近くに建っていたのです。また初桃にあるぬれぎぬを着せられて罰を受けた後、彼女は何とか仕返しをする方法を考え出すのですが、それは置屋の庭石にくっついている鳩の糞をこすり落として掃除をした後、初桃の顔用のクリームに混ぜるというものでした。当時、美容に良いと言うのでクリームにはウグイスの糞が入っていたので、どっちに転んでもさほど差はなかったかも知れないけど、それで彼女は密かに満足します。(ところでウグイスの糞は本当に美容効果があるのでしょうか?)また、置屋のGranny (芸者の用語に詳しくないのでわからないんだけどやっぱり「おばあさん」と訳すのかな?)への仕返しは、厠用(トイレ)の雑巾で寝間着の内側を拭くことだった。おばあさんは怪訝そうな顔つきをしながら寝間着のにおいをかぐのだけど、いずれそれを着て寝るわけです。 この本についてたまたま私の購読しているJapan Times Weekly にこの小説のモデルとなった元芸者の女性が作者に「主人公の描写により名誉を毀損された」として告訴しようとしているとかかれていました。特に「水揚げ」の描写は全く違っていると言うのです。しかし彼女の水揚げの話は実に興味深く、彼女のバージンがオークションにかけられて史上最強の高値を更新するのですが、落札したのは「水揚げスペシャリスト」と言われる医者。そんなものいるのか?と思うわけですが、Dr.Crab(蟹)とさゆりが密かに命名したこの医者(さゆりによれば彼の肩は弓なりのせむし状で、ひじがひどくつきだしているため、これ以上蟹に似た男はいないのである。)は実に奇妙、奇怪、不気味なコレクションをしているのですが、そのコレクションとは何でしょう?? さゆりがまだちよと呼ばれていた12才の時のこと、自分の運命を思い悲しくて泣きながら白河の川辺を歩いていると、たまたまそばを通りかかった一団の中でChairman(会長)と呼ばれていた人が、見ず知らずの彼女に優しく声をかけてくれるのです。その日からChairmanは彼女の生きる希望になります。人は定められた運命に導かれて生きていくものなのでしょうか。これはさゆりのラブストーリー。希望を失わず、強く願い1歩1歩運命の道を歩いて行く彼女の一途でひたむきでけなげな心に、打たれずにはいられません。情熱は年とともに色あせていくものではなく、つきることなく互いに与えそして与えられることで空っぽになりそして満たされるものなのです。 |
タイトル、作者、出版社 | ジャンル | 読み終わった日 | |
The Naked Face by Sidney Sheldon Warner Books /316ページ |
サスペンス | 1回目、1990年頃 2回目、2000年5月18日 |
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ストーリーの面白さ ★★★★★ 読み始めたらもう止まらない | |||
この本はシドニーシェルダンの作品の中で私が一番最初に読んだ本でもあり、私が読んだ彼の作品の中で一番好きなものです。シドニーシェルダンの本はどれもみんなおもしろく、ページをめくるのが待ちきれない。それに文体もシンプルで大変読みやすいので、結構分厚い本でもすいすい読めてしまいます。この本は、主人公が目に見えぬ暗殺者によって繰り返し、繰り返しおそわれるという手に汗握るシーンが続出。まさかまさかのどんでん返し。彼の作品は陰謀あり復讐あり憎悪あり愛ありで思わず引き込まれて読んでしまうのですが、読み終わった後不安な暗示があるものが、私の読んだ中では多かったのですが、この作品は、事件解決の後は安心して眠れます。 物語はJuddという精神分析医の患者の一人が殺されるところから始まります。Juddは精神分析医なので、精神分裂症、偏執狂、被害妄想、誇大妄、ホモセクシャルなどのいろいろなタイプの患者とのセッションが大変興味深いです。物語の後半Juddが精神分析医の豊富な経験から目に見えぬ自分の暗殺者の性格はもとより、体型、容姿、国籍までも特定していくのが非常に興味深いです。「羊たちの沈黙」の映画でも有名になり、今でこそ一般に知られている、プロファイリングというものですね。(私が最初にこれを読んだ当時はそんな言葉も知らなかったし、この本にはそういう言葉もでてこないのですが。)精神的、性格的な側面は別として、なぜ容姿や体型までわかってしまうのか・・・?たとえば「偏執狂者の85%は体格が良くスポーツマン体型」なんだそうです。また、彼の暗殺者は芸術的才能はなく、絵を描かず、作家でもなくピアノも弾かないと断定する。芸術家には精神分裂症の人がいっぱいいるらしいのですが、大半は芸術を通して自己を表現し感情を吐き出すことができるのだが、彼の暗殺者はそのはけ口を持っていない、噴火するしかない火山の様なものであると分析する。そして彼の暗殺者は偏執狂であるが、見かけはふつうの人と変わらない、それは彼がマスク(仮面)をつけているからだと言う。人は幼児期を過ぎた頃から憎しみやおそれを隠すため自分の本当の感情を隠す様に教えられる。しかしストレスにあうと、そのマスクがとれ裸の顔が現れるのだ。 彼は自分の患者は狂人ではなく問題を抱えている人たちでありその問題に対処できないでいる人達なのだと言います。「正常などと言うものは存在しない。人はそれぞれ自分の中に独自の正常さを持っており、一人として同じ人はいないのだ。」アメリカではごくふつうのこととして精神科の医者にかかり精神療法を受ける人は多いと聞きます。日本もいずれそうなるのではないでしょうか。と言うわけで、スリルとサスペンスを味わう以外にも興味深く読める作品です。 |
タイトル、作者、出版社 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Jade(Wildflowers miniseries) by VC ANDREWS POCKET BOOKS /375ページ |
ヤングアダルト心理小説(私が勝手に作ったかも知れないジャンル) | 2000年5月5日 | |
ストーリーの面白さ ★★★★手に汗握ってしまった。 | |||
先のMisty、Star に続く Wildflowers miniseries 第3作目。(同じシリーズでは能がないと言われそうだが、目下このシリーズにこっているのでいたし方ありません。VC ANDREWS
の別の作品まで買って読もうかと思っているところです。私の本の読み方は、ある作品が気に入ると同じ作者の書いたものをまた続けて読んでしまうというものなので、かなり偏っているのです。) さすが3作目ともなると迫力がダウンしてしまったかと物語真中あたりまで思いながら読んでいたのですが、そこで一気にいきなりジェットコースター並みのド迫力。 主人公ジェイドの両親は離婚するに際し、ジェードの親権をめぐって熾烈な戦いを繰り広げているのだが、彼女はその狭間で板ばさみとなりストレスが極限にまで高まっていく。そんなある日、彼女はコンピュータのチャットルームで"Lone boy"(孤独な男の子)というハンドルネームの同年の男の子と知り合います。チャットから今度はイーメールで直接にお互いの事をどんどん話し合うようになるわけです。彼の母親は家族を捨てて家を出て行ったため、彼は父親と弟と一緒に暮らしている。ジェードにとって自分と同じような状況にいて自分の言うことをそのまま理解してくれる人ができたことは唯一の慰めであり、彼とのメールのやり取りが心の支えとなっていった。そしてある日、自分の家に居たたまれなくなったジェードは家出を決行。サンフランシスコに住んでいる彼のもとへ逃げることを決心(彼女はビバリーヒルズに住んでいる)。が、しかしコンピュータ越しに誰よりも心を通わせていたと信じていたクレイグ(ローンボーイの本名)は、実際には会ったこともない見知らぬ他人なわけで、たずねて行った彼の家でとんでもない恐怖の体験をすることになるのです。自分を捨てて出て行った母親とジェードが彼の錯乱した精神の中で一つになってクレイグは狂気の行動を取る。どうやってジェードはその恐怖と狂気の館から逃げ出せるのか!! この後、めでたく本日(2000年5月7日)4作目"CAT"を読み終えましたが、彼女のストーリーは4人の中でももっとも陰惨で、陰鬱であり、感情移入の激しい私は実はこれを読んでいる間、大いに不幸、今もってその不幸を引きずっている私です。(只今5月7日)。それでも最後に4人の主人公たちはそれぞれの境遇から立ち直るエネルギーを得、自尊心を取り戻し、そして友を得るのです。そんなわけで不幸のどん底にいた私もやっぱり立ち直ってがんばるぞと思ってる次第です。 |
タイトル、作者、出版社 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Star(Wildflowers miniseries) by VCABDREWS POCKET BOOKS /151ページ |
ヤングアダルト心理小説(私が勝手に作ったかも知れないジャンル) | 2000年4月27日 | |
ストーリーの面白さ ★★★★ | |||
Wildflowers ミニシリーズ2作目。先に紹介したMistyがとっても面白かったので、後の3冊がどうしても読みたいなあ・・・とアメリカのメールフレンドにイーメールを書いたら、誕生日プレゼントだと言って送ってきてくれました。どの本もみんな面白い。2作目も1作目に負けず劣らずやっぱりすさまじかった。このシリーズに登場してくる4人の女の子は自分達をOWP(orphan
with parents 両親がいる孤児)だと呼んでいます。みんなそれぞれに困った両親がいるわけです。 スターの家庭はミスティとはまったく正反対で貧しい家庭である。母親は飲んだくれで、無責任。彼女が言うには「良い家に住まわせて良い暮らしをさせてくれると言う夫にだまされ、たぶらかされて結婚したが、亭主はわずかな稼ぎしかない、子供を二人も産まされ苦労を押しつけられ自分の人生はまったくの失敗だった。結婚前にスターを妊娠してしまったのだが、それについてかきくどく彼女の話だけ聞いてると、まるで夫が彼女をレイプでもしたかのような話し振りなのだ。また夫は夫で「妊娠したのはお前なんだゾ」とまるで男も妊娠できるがそれをしないだけの分別があるとでも言うような話し振り。ま、たしかにそうなれば不公平じゃなくなるかもね。 実際には、母親は子供の面倒などまともに見たこともなく、スターの弟はスターが母親なのか姉なのか区別がつかないくらいなのです。スターは他の女の子達のようにダンスに行ったりすることもできず、どこに行くにも弟の事を抜きに考えることはできない。母親はいつもアルコール漬けだからいつも臭いわけだけど、小さかった頃スターはそのにおいを、大人がつける香水の一種と信じ込んでいたくらいなのだ。父親はそのうち妻子を捨てて家を出て行くし、そのうち母親は男を連れこんで来るし、そしてそのうちいつのまにやら結婚して家を出て行ってしまう。スターの人生はやっぱり苦労の連続なのです。 でもスターにとっての救いは、賢い知恵袋のようなおばあちゃんがいたことです。おばあちゃんのすばらしい人生の名言があちこちにちりばめられて、私はその全部が気に入っています。たとえばこんな風です。My granny says if you wait too long for pity, you'll miss the train to happiness.(同情を待ってばかりいると、幸福行きの電車に乗り遅れるよ。)他にもおばあちゃん一流の名言がみられます。さすが亀の甲より年の功。そして物語後半に登場してくるスターにとってかけがえのないスティーブとの出会い。だけどその結末はあまりに悲しく・・・・ |
タイトル、作者、出版社 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Flowers For Algernon by Daniel Keyes Pocket Books /216ページ |
感動のSF | 1回目1992年頃 2回目2000年4月15日 |
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ストーリーの面白さ ★★★★★今まで読んだペーパーバックの中でも私がもっとも好きな本です。 | |||
この物語は32歳、IQ68で、知能の低い大人のための学校に通っているチャーリーが主人公。 彼は低知能の人には珍しく向上心が強く頭が良くなりたいと一生懸命努力するタイプの人であったために、知能を高める実験に使われることになるのです。彼の書いた「プログレスレポート」という日記で物語が構成されているため、本の最初の方は英語のスペルも、文法もかなりでたらめ、大文字小文字も区別がなかったりする。したがって英語がある程度わかっている人でないとこのあたりはいくら辞書で調べても書いてない単語がいっぱいあったりしてつらいかも知れない。表紙のタイトルの下にあるCHARLYという彼の名前のスペルの「R」が鏡文字になっているのに注目。しかし、手術とその後の学習により徐々に知能が増してくるにつれ、スペルミスも文法ミスもなくなるのはもちろん、語彙の使い方、英語の文章レベルも上がり、どんどん洗練されたものになっていくのです。ぼんやりともやがかかっていたチャーリーの世界がどんどん鮮明になり目の前が開けていくその喜びは彼の文面から伝わってきます。そして日記に書かれた英語の変化でチャーリーの知能の変化が読み取れるので原文が読めてホントに良かったと英語をやっていていることの喜びを充分味わうことのできる一冊です。 知能の発達が急激に起こったため、精神の発達とのバランスがとれない部分があったり、人格に変化があったり、その過程でさまざまなエピソードが描かれています。過去の記憶がぼんやりしたものからはっきりとした形を成すようになり、意味なく脈絡ない数々の過去の出来事が次第につながり意味を持ってくるようになる。生まれ変わったチャーリーのいわば心の壁の穴から現れる昔のチャーリー。 タイトルになっているアルジャーノンというのは、チャーリーの前に知能を高めるための同じ実験に使われたハツカネズミで、アルジャーノンのたどる運命がチャーリーの運命の暗示となっています。英語をやっている人はぜひ読んでもらいたいですが、それを抜きにしても充分読み応えのある作品なので翻訳版があればそれを読んでも良いかも知れない。テレビ化、映画化もされているようです。 |
タイトル、作者、出版社 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Anna and the King by Elizabeth Hand HarperEntertainment /297ページ |
ラブストーリー | 2000年4月2日 | |
ストーリーの面白さ ★★★★ | |||
映画の書下ろしです。私はまだ見ていませんが、これから映画も見たいです。本で読むと映画と違って好きな場所や台詞を何度でも繰り返して読めるのが良いところです。と言うわけで、私が一番好きな台詞はKing
が Anna に言った次の言葉です。 "Untill now, Madam Leonowens, I did not understand supposition man could be satisfied with only one woman." 「私は今まで,男がただ一人の女性に満足できるというのが理解できなかった。」 何しろシャム(タイの旧称)の王は妻が23人、正妻以外の妻42人、子供が58人、さらに10人がお腹の中で進行中・・・と、精神分裂でも起こしそう・・・head wife(妻頭)なんて言うのまでいたりする。 アンナは息子Louisに「何故王様はあんなにいっぱい妻がいるの?」と聞かれて、「王家の子供達と言えども病気や事故から逃れられない、王家の血筋を絶やさないためたくさん子孫を作らなくてはならないからである」と答える。それでLouisが1度は納得するんだけど,その後、「じゃあ,どうしてビクトリア女王は夫を何人ももたないの??」・・・うーん・・・ アンナが王様に「私は自分の夫を、誰かと共有するなんて想像できない」と言った時、王様は「何故できないか」と聞きます。「何故なら、彼は私のものだから・・・」。王様は「ハッ!奴隷のようにか」と言う。アンは"No!" と言った後、"Well, perhaps, but strictly a voluntary one."と答えます。 本の最後で、アンナの生徒だった王子が40年後に国王にとしてアンナをロンドンに尋ねて行きます。そこで"As I told my wife and children ...."で始まる別にどうと言うことはない台詞があるのですが、"wife"は単数形でした。ちなみにこの映画はタイでは、不都合な部分があるとかで上映禁止になったそうです。 |
タイトル、作者、出版社 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Counterfeit Lady by Jude Deveraux Pocket Books /375ページ |
ラブストーリー | 1999年12月2日 | |
ストーリーの面白さ ★★★★ | |||
この作者の小説は実はこれまでに数冊読んでいます。最初に読んだ1冊が全くばかばかしいお話なんだけど、まんまと作者の術中にはまり夢中になって読んでしまったのです。それどころかもっと読みたくなって、彼女の他の小説もその直後に数冊一気に本屋に注文してしまったという次第。しばらく積読していたものをこの頃(1999年10月から2,3ヶ月の間)で大半を読み終えました。英語も簡潔で平易。この上なく読みやすい。この作者の小説は私が読んだところではすべて舞台が、15世紀〜19世紀という設定で、この本は18世紀、バージニアが舞台。 主人公ニコルはほっそりとした美しいフランス女性。フランス革命のあとイギリスに身を隠していたが、彼女がかくまわれていた家の娘と間違われて誘拐され、船に乗せられアメリカに連れて行かれる。そこで待っていたのはプランテーションを所有し、金もある、ルックスも良くたくましく絵に描いたような理想的な、いい男。"I've waited so long for you, my love." とクレイの愛の言葉と情熱的なキスで眠りから覚めたニコル。しかしこの言葉もキスも彼女の者ではなかった。そんなアホな!!と思うようなストーリーの展開なんだけど、ついつい夢中で読んでしまう。ちょっとポルノチックな箇所もあったりして、読み出したらどうにも止まらない!!やっぱり私はロマンチックなお話が大好きなんです。すっかり主人公になりきって一気に読んでしまった私です。 |
タイトル、作者、出版社 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Misty(Wildflowers miniseries) by VCABDREWS POCKET BOOKS /149ページ |
ヤングアダルト心理小説(私が勝手に作ったかも知れないジャンル) | 1999年11月10日 | |
ストーリーの面白さ ★★★★ | |||
この本は全部で4冊のシリーズになっているうちの1冊目です。L.A.の空港で飛行機の待ち時間にみつけて、本の裏にあるreview
を読んで面白そうだったので、$3.99で買ってきました。買ったのは1999年9月で、出版されたばかりだったみたいです。 Misty はこのシリーズ2冊目、3冊目、4冊目にタイトルとして次々登場してくるほかの女の子たちと同様、精神科医 Dr. Marlowe のセラピーを受けている女の子。ある日 Dr. Marlowe はこの4人が一部屋に集まりグループセラピーをする時期が来たと判断する。これまでお互いにあったことも話したこともない4人が、自分自身のことをそれぞれ語りあい、痛み、怒り、悲しみ、恐れを共有しあうことで見えてくるものがある、きっと奇跡が起きると判断したのです。 第1作目の主人公、ミスティは高級住宅街ビバリーヒルズにあるお城のようなお家で物質的には何不自由ない暮らしをしてる。しかし子供のころのような幸せな家庭はいつしか壊れて、両親は離婚してしまうのです。ミスティの母親は女優のように美しく、常に完璧なメークアップ、完璧なヘアスタイル、完璧なファッション、そしてその若さと美貌を保つため、しわとりの手術も受けている。白髪が一本でも、しわが一本でも見つかろうものなら失神もの。二人めの子供をほしがっていた夫に「娘を一人産んでしまったせいで私のお尻は永久に大きくなってしまってどんなにエクササイズしてもダイエットしてもどんな努力をしても体型はもとに戻らない、それなのにもう一人生んだら私は一体どうなるのよ?男なんて妻に子供を生ませて醜く太らせておいて、若くてきれいな女をよそで捜そうとするのよ!!」なんてなことをのたまう。夫(ミスティの父親)と離婚したあと、彼女ご本人の言うところによれば、「彼女は今でも充分若く美しく、彼女の離婚を聞きつけた巷の男たちが彼女のハートを射止めようと群れを成して家の周りを取り巻いている、だけど娘ミスティのためにまだ一人身を保っているんだ」と言うことなのだそうである。完全な自己陶酔型、ナルシスト。父親はこれまたハンサムで体型を保つためにジムに通ったりしている。彼にはミスティに言わせれば「ご冗談でしょ!」と言いたくなるような娘と同じくらいの超若い彼女がいてそのうち結婚しようと思っていたりするわけです。とまあ、こういうわけでミスティの人生はもう大変なわけです。これでもかこれでもかと出てくる両親の口論、いさかいの種。そしてミスティは・・・・・・ |
タイトル、作者、出版社 | ジャンル | 読み終わった日 | |
Survival in the Office by Risu Akizuki (秋月りす) 講談社 /1〜3巻、各巻訳130ページ |
コミック | 2000年2月、3月、4月、随時 | |
ストーリーの面白さ ★★★ | |||
これはペーパーバックではないじゃないかと反論もございましょうが、ま、硬いことは言わないで!気軽に読めておかしくて、ためになるし、おすすめなので書いてみました。4コマ漫画で構成されているので、分厚いペーパーバックを最後まで読み通す自信がない、という人もこれならどこからはじめても、どこでやめてもO.K.第一ご覧の様にカバーもかわいくて持ってるだけでるんるんです。 「そう、そう、あるよね、そんなこと!」とか「うん、うん、わかる、わかる!!」と言う場面が随所に。私はこれを読みながらいつも一人で笑い転げているので、家族はきっと変なやつだと思っていることでしょう。対訳になっているので英語表現の良い勉強にもなります。第2巻の始めに訳者が次の様に書いています。「どの国でも見られる職場のありふれた瞬間をとらえてやんわりと揶揄しながら、若い女性の希望と悩み、夢と関心事に光を当てる。・・・・この漫画は日本のOLの本当の姿を鮮やかに描き出すことに成功していると私は思う。OLの仕事は単調で退屈かも知れないがーー人生と同じようにーーぬくもりと笑いの瞬間に彩られているのだ。」3巻までありますが、もっと出してくれないかなあと心待ちにしています。 |